研究課題/領域番号 |
15790041
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小西 守周 京都大学, 薬学研究科, 助手 (00322165)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Fgf / 脂肪細胞 / 組織形成 / 白色脂肪組織 / FGF |
研究概要 |
白色脂肪組織は、生体のエネルギー代謝を調節する、きわめて重要な組織である。本研究では生後の白色脂肪組織形成におけるFGF10の役割を明らかにする目的で、FGF10の受容体であるFGF受容体2(FGFR2)を脂肪組織特異的に欠損するマウスを作製し、解析を行った。作製されたマウスは白色脂肪組織特異的に遺伝子欠損が起きていた。またその効率は約50%程度であった。続いて、その表現系について検討した。20週齢まで、FGFR2CKOマウスとコントロールの問に、体重差は見られなかった。しかし、20週齢において、両マウスより脂肪組織を摘出したところ、精巣上体白色脂肪組織、腸間膜白色脂肪組織重量が、FGFR2CKOマウスではコントロールの約5割に低下していた。一方、褐色脂肪組織や心臓、肝臓など、白色脂肪組織以外の他の組織では、重量に差が見られなかった。白色脂肪組織の組織重量の減少の原因を明らかにするため、精巣上体白色脂肪組織を切片化し、その形態を顕微鏡下で観察した。その結果、個々の白色脂肪細胞のサイズが減少していることを見いだした。特に、コントロールに存在する4000平方マイクロメートルを超える大きな白色脂肪細胞は、FGFR2CKOマウスの精巣上体白色脂肪組織には存在していなかった。さらに、算出された白色脂肪細胞の平均面積と組織重量から、脂肪細胞数を概算したところ、FGFR2CKOマウスとコントロールの間に、差は見られなかった。以上の結果より、FGFR2CKOマウスの白色脂肪組織では、個々の細胞のサイズが減少することにより、組織量が減少することが明らかとなった。げっ歯類の白色脂肪組織では、性成熟の後、主に個々の脂肪細胞のサイズが増加することで、脂肪組織量が増加することが報告されている。今回得られた知見から、この脂肪細胞のサイズの増加において、FGFR2が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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