研究課題/領域番号 |
15790049
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
藤本 康之 帝京大学, 薬学部, 助手 (60317724)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 肝細胞 / 中性脂質 / 脂肪滴 / アシルCoA合成酵素 / グルコース / グリセロール / 阻害剤 / ダウンレギュレーション / 中性脂肪 / 細胞内脂質顆粒 / ADRP / LC MC / MS |
研究概要 |
本研究課題では、中性脂質蓄積性疾患発症の基礎的なメカニズムの解明をめざし、脂肪滴の形成機構を解析している。昨年度までの本研究の成果から、脂肪滴形成には長鎖脂肪酸が重要であることを見いだしてきた。脂肪滴の主要成分であるトリアシルグリセロールの産生には、脂肪酸以外にグリセロール-3リン酸等のグリセロール系基質も重要であり、これは解糖系を介したグルコースからの経路や、細胞外からのグリセロール取り込みによって供給される。そこで今年度は、脂肪滴形成におけるグルコースおよびグリセロールの寄与を調べた。その結果、培地中グルコース濃度を0.1g/L(正常血糖濃度の約10%に相当)まで低下させても脂肪滴の形成に影響がみられなかったが、0.01g/Lまで低下させた場合には脂肪滴形成が停止した。この低栄養条件下ではグリセロールによって脂肪滴形成が回復した。したがって、脂肪滴形成においては、グルコースおよびグリセロールは一定の重要性を有するものの、その寄与の程度は脂肪酸に比べて低いものと考えられた。 本年度の研究では、細胞内にすでに形成されてしまった脂肪滴を消失または退縮させる方法の探索も行った。その結果、培地へのオレイン酸添加によって誘導された脂肪滴は、その後培地からオレイン酸を除去しても長く細胞内に残存していたが、オレイン酸除去時に培地にアシルCoA合成酵素(ACS)阻害剤Triacsin Cを添加したところ、脂肪滴は経時的に退縮していった。ACSを阻害することで脂肪滴が消失したことから、ACSは細胞内で脂肪滴を維持するのに重要であると考えられた。細胞内では脂肪滴は静的な状態にあるのではなく、中性脂質の合成・分解のバランスの上に成り立っていると考えられるが、Triacsin Cはこの2つの過程のうち合成過程を阻害したために、中性脂質分解の方向にバランスが傾き、脂肪滴が退縮したものと考えられた。
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