研究課題/領域番号 |
15790073
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
創薬化学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
宇井 英明 北里大学, 薬学部, 助手 (90290957)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | HIV / AIDS / 接着侵入 / 阻害剤 / 合法体形成 / 合胞体形成 |
研究概要 |
現在エイズ治療の臨床で用いられている薬剤は、患者に対する負担が非常に大きいことや、薬剤耐性ウイルスの出現・増加などの問題点から、新たな抗エイズ薬の開発が望まれている。本研究では新たな作用機作を持つ抗HIV薬の創製を目指し、特にウイルスの細胞への接着侵入に着目して阻害物質の探索を行った。探索には安全かつ大量にサンプルを処理できる独自のモデル検定系を用いた。すなわち、HIVの外套タンパク質であるEnvを発現した細胞と、HIV受容体(CD4とケモカイン受容体)を発現した細胞を共培養することで合胞体を形成させてウイルスの接着侵入を擬態したものである。この検定系により、微生物の二次代謝産物を中心とした天然資源より接着侵入阻害物質を探索した結果、糸状菌由来の既知化合物が得られた。この物質は細胞内のGTP産生を阻害する物質であることが知られており、その抗HIV効果は逆転写酵素の基質としてのGTPの枯渇、及びHIVの主な感染標的の一つであるT細胞の減少を引き起こすこととされていた。しかし我々の検定系においてはいずれの作用点も関与する可能性がないことから、その真の作用点を検討した。その結果この物質はHIV由来の外套糖タンパク質であるgp120の発現を顕著に抑制していることがわかり、その減少が合法体形成の阻害につながったと思われる。現在はその作用がgp120やHIVに特異的かどうかなどの調査を進めているが、これが抗HIV薬開発への新たな知見となる可能性もあると期待している。
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