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亜ヒ酸耐性に関わるシグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15790076
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 環境系薬学
研究機関東北大学

研究代表者

大橋 一晶  東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (70344679)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワードヒ素 / 酵母 / トランスポーター / シグナル伝達 / 亜ヒ酸
研究概要

過剰発現により酵母にヒ素耐性を付与することが見いだされた因子Pbs2は、浸透圧の調節などのストレスに応答し細胞内にシグナルを伝達する経路に含まれる因子である。Pbs2が関わるシグナル伝達経路上の因子の遺伝子欠損株のほぼ全ては、ヒ素に感受性を示したことから、これらのシグナル伝達経路がヒ素耐性に関与する可能性が高いと考えられる。
Pbs2は下流の因子Hog1をリン酸化し活性化することによりシグナルを伝達する。そこで、HOG1遺伝子欠損株に、リン酸化部位に変異を導入した変異型Hog1を発現させ、亜ヒ酸感受性に及ぼす影響を調べた。その結果、リン酸化部位に変異を導入した変異型Hog1は亜ヒ酸感受性を回復せず、HOG1遺伝子欠損株と同様に高い亜ヒ酸感受性を示した。さらに、これらの株について細胞内ヒ素量を測定したところ、HOG1遺伝子欠損株は野生株よりも顕著に高い値を示し、リン酸化部位に変異を持つ変異型Hog1を発現させても細胞内ヒ素量は高く維持された。したがってPbs2を介したHog1のリン酸化によるシグナル伝達が亜ヒ酸耐性、および細胞内ヒ素量調節に重要な役割を果たしていることがわかった。
そこで、亜ヒ酸の取り込みに働くトランスポーターの一つであるFps1について、HOG1遺伝子欠損株との関連を調べた。HOG1欠損株は野生株よりも亜ヒ酸に高感受性を示したが、HOG1FPS1二重欠損酵母では、FPS1欠損酵母と同程度の亜ヒ酸感受性を示した。さらに、FPS1が欠損された条件では、HOG1をさらに欠損しても、細胞内ヒ素蓄積量もそれほど増加しないことも明らかとなった。また、細胞膜画分中のFps1蛋白質の量はHOG1欠損株では野生株の2倍程度存在することも判明した。
以上の結果から、Pbs2やHog1を含むシグナル伝達経路は、Hog1のリン酸化を介して細胞膜上のFps1発現量を抑制し、細胞内への亜ヒ酸の取り込みを抑制していると考えられる。これらの結果は、ヒ素を感知し、その取り込みを調節するシグナル伝達経路が生体内に存在する可能性を示すものである。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] HANABA TARANU is a GATA Transcription Factor That Regulates Shoot Apical Meristem and Flower Development in Arabidopsis2004

    • 著者名/発表者名
      Zhao Y, Medrano L, Ohashi K, Fletcher JC, Yu H, Sakai H, Meyerowitz EM.
    • 雑誌名

      Plant Cell 16・10

      ページ: 2586-2600

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] Ohashi K et al.: "Copper(II) protects yeast against the toxicity of cisplatin independently of the induction of metallothionein and the inhibition of platinum uptake"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 310・1. 148-152 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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