研究課題/領域番号 |
15790083
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 埼玉県立がんセンター(研究室) |
研究代表者 |
生田 統悟 埼玉県立がんセンター, 研究室, 研究員 (00262072)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Ah receptor / 表皮角化細胞 / Slug / ダイオキシン / 細胞密度 / Ahレセプター / ARNT / keratinocyte / 核移行 / 核外移行 |
研究概要 |
1 培養ケラチノサイトにおけるAhRの標的遺伝子の解析 [目的と方法]Ah receptor (AhR)は、bHLH-PAS familyに属する受容体型転写因子である。リガンドとなるダイオキシンなど環境中の変異原物質と結合して活性化されると、細胞質から核へ移行してARNT蛋白質と複合体を形成し、DNA上のxenobiotics response element (XRE)に結合して転写を調節する。細胞内では外来リガンドに依存しないAhR本来の役割があると考えられるが、これについては不明な点が多い。我々は、表皮角化細胞株HaCaTを低カルシウム培地(SMEM)で培養すると、E-cadherinの発現様式の変化と並行してXRE依存的な転写が活性化されることを見い出した。本研究はAhR/ARNTの標的遺伝子を解析することにより、AhRの細胞内における機能を明らかにすることを目的とした。epithelial-mesenchymal-transitionに重要なSlug遺伝子がXREコンセンサス配列をもつことに着目し、その転写調節について検討した。[結果]ヒトgenomic DNAから、Slugの転写調節領域をPCRで増幅した。ルシフェラーゼアッセイの結果から、Slugの転写はAhRのDNA結合能に依存して活性化されることが示された。またAhR/ARNT複合体は、Slug開始コドンの上流約0.8kbに位置するXREに結合することがゲルシフトアッセイやChIPアッセイから示された。次にHaCaT細胞でSlugのmRNA量を、RT-PCRにより調べた。1μMメチルコラントレンまたはSMEMによる刺激後2時間で、Slug mRNA量は増加した。[結論]これらよりヒトSlugの転写は、AhR/ARNT/XRE複合体により活性化されることが示唆された。 2 皮膚組織におけるAhRの分布様式 マウスの背部皮膚を含む組織切片を作製し、市販の抗AhR抗体を用いて免疫染色をおこなった。胚齢15日目(E15)から重層化した表皮構造が認められた。E16の表皮ではbasal cellからsuprabasal cellにかけての染色性がみられたのに対し、E17-E19では有棘層-顆粒層にかけての細胞が染色された。この領域の染色性は出生後低下し、むしろbasal layerに近い部位に弱いながら染色が認められた。
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