研究課題/領域番号 |
15790095
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川上 茂 京都大学, 薬学研究科, 助手 (20322307)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | DNAワクチン / カチオン性リポソーム / ドラッグデリバリーシステム / マンノースレセプター / 樹状細胞 / マンノース修飾リポソーム / プラスミドDNA / 遺伝子デリバリー / 遺伝子治療 / 受容体介在型エンドサイトーシス / 体内動態 / ターゲティング |
研究概要 |
近年、癌や感染症の治療法として、抗原をコードした遺伝子を生体に導入するDNAワクチン療法が注目を集めている。従来の投与法であるDNAワクチンの局所投与療法では、抗原提示細胞において遺伝子を発現させることは難しく、体液性免疫の誘導は起こるものの細胞性免疫の誘導は弱いのが問題である。本研究では、DNAワクチンの標的細胞である樹状細胞が特異的に発現するマンノースレセプターによって細胞選択的に取り込まれるマンノース修飾カチオン性リポソームによるDNAワクチン療法の効果増強を目指した。 静脈内投与後、マンノース修飾リポソーム複合体では、カチオン性リポソーム複合体に比べ標的細胞である脾臓中の樹状細胞に対して効率良く遺伝子導入できることが明らかなった。複合体を静脈内投与した後に脾臓樹状細胞を単離精製し、樹状細胞上のMHC class I抗原提示を評価した。MHC class I提示を評価するため、OVAペプチド断片とMHC class Iの複合体を特異的に認識してIL-2を放出するT細胞ハイブリドーマCD80VA1.3細胞を用い評価したところ、マンノース修飾リポソーム複合体投与群では、naked pDNAおよび未修飾リポソーム複合体投与群に比べて、MHC class Iへの抗原提示を増強できることが示された。さらに、抗原提示の後の過程であるT細胞群の誘導効果T細胞の機能に関して、Th1型免疫応答の指標となるIFN-γの産生ならびにT細胞群の増殖を評価したところ、マンノース修飾リポソーム複合体投与群においては、T細胞が最も鋭い増殖応答を示すとともにIFN-γが最も高く分泌され、Th1反応が最も効率良く誘導されることが示された。以上、我々が開発したマンノース修飾カチオン性リポソームがDNAワクチン製剤の効果を増大させる製剤として有用であることが示された。
|