研究課題/領域番号 |
15790102
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
鍋倉 智裕 新潟薬科大学, 薬学部, 講師 (90298993)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 水晶体 / 白内障 / 微量元素 / 金属 / メタロチオネイン / 金属結合蛋白質 / セレン / 亜鉛 / カルシウム / マルチトレーサー / カルシウムATPase |
研究概要 |
微量金属元素は生体内において様々な酵素反応の活性化因子及び不活性化因子として働き分化・増殖等細胞機能の調節に大きな役割を果たすため、その細胞内濃度が厳密に制御される必要がある。白内障は水晶体が混濁し、視力障害をきたす疾病であり、特に高齢者に罹患者が多い。実験動物及び白内障患者に対する研究から、混濁の進行に伴い水晶体細胞中微量元素量が変動することが報告されている。 水晶体において微量元素が重要な役割を果たしていると考えられるが、これまで水晶体細胞における金属結合タンパク質メタロチオネイン(MT)の発現及びMTによる細胞内微量元素量の調節についての研究は十分に行われていない。そこで本研究では、白内障発症と微量元素との関連について明らかにするため、正常及び白内障水晶体におけるMTの発現とその変動に関する検討を行った。 正常ラット及び混濁度の異なる遺伝性白内障発症UPLラットより水晶体を摘出し、mRNAを抽出し、MT-1及びMT-2の各サブタイプに特異的なプローブを用い、リアルタイム定量RT-PCR法により水晶体におけるMT遺伝子発現量を測定した。その結果、正常ラット水晶体と比べ、白内障ラット水晶体ではMT-1、MT-2両者の発現量が大きかった。特にMT-2 mRNAは白内障進行に伴い増加しており、正常水晶体ではMT-2と比べMT-1の発現量が多いのに対し、成熟白内障水晶体ではMT-1よりもMT-2の発現量が大きくなっていた。さらに、正常及び白内障水晶体組織標本を作成し、抗MT抗体を用いて免疫染色を行いMT蛋白質の水晶体における分布について検討を行ったところ、主に水晶体皮質部にMTの局在が認められた。 これらの結果から、白内障発症にはMT、特に水晶体皮質部におけるMT-2が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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