研究課題
若手研究(B)
鶏胚脊髄運動神経細胞へ効率よくGFP-LC3遺伝子を発現させる目的で、運動神経における転写因子であるIslet1のエンハンサーのもとで同遺伝子が発現するコンストラクトを福島県立医科大学の佐藤昇博士と共同で作製し、孵卵2日目(Hamburger-Hamiltonのステージ13〜14)の胚に遺伝子導入を行ない、蛍光顕微鏡でGFP融合蛋白の発現の有無を観察した。その結果脊髄前角細胞に同遺伝子を効率よく発現していることを見出し、本コンストラクトが運動神経特異的に効率よく遺伝子導入する上で有用であることが分った。そこで、GFP-LC3遺伝子を導入した胚に、Yaginuma(2001)らと同じ条件で、カスパーゼの阻害剤を投与して頚髄の細胞死が運命付けられた運動神経細胞(Apoptosis-specific protein(ASP)陽性細胞)と、そうでない細胞の間での、GFPの細胞内局在パターンの相違の有無を検討した。ASP陽性細胞にても、GFP-LC3蛋白が発現していることが共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析から明らかとなったが、GFPの輝度が高く光学顕微鏡における細胞内局在の詳細な評価は困難であった。そこで免疫電子顕微鏡法で局在を検討することを試みた。ただし通常の免疫電子顕微鏡法(樹脂包埋、凍結超薄切片法)ではLC3蛋白の局在を検討することは非常に困難であることが分っているので、固定条件が弱くても行うことの出来る、フリーズレプリカ免疫電顕法(SDS-FRL)により同蛋白を同定する系をオートファジーが非常に亢進し膜結合型のLC3蛋白が豊富に存在することが分っているカテプシンD欠損マウス脳を用いて確立することを目指した。その結果2%パラホルムアルデヒド固定という非常に弱い固定条件で、LC3蛋白が膜内粒子にとぼしい初期のオートファゴソームと思われる膜に局在することを示すことに成功した。
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Journal of Neuroscience 24巻14号
ページ: 3480-3488
Journal of Virology 78巻9号
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Arch.Histol.Cytol (印刷中)
10015565050