研究課題/領域番号 |
15790184
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金子 真弓 広島大, 医歯(薬)学総合研究科, 助手 (00294554)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 悪性中皮腫細胞 / ヒアルロン酸 / CD44 / 細胞運動能 |
研究概要 |
上皮型のヒト悪性中皮腫に由来する悪性中皮腫細胞HMMMEを用い、ヒアルロン酸と断片化ヒアルロン酸、また、ヒアルロン酸の主たるレセプターであるCD44の相互作用が、浸潤能の高い悪性中皮腫細胞の細胞運動能に如何に関与しているかを検討してきた。ヒアルロン酸投与下で運動能の増加を認め、これはCD44のブロッキング抗体で抑制された。また、ヒアルロン酸投与によりCD44の発現が高度に誘導されることを見いだした。以上のことから、ヒアルロン酸投与により発現が誘導された細胞表面のCD44と、ヒアルロン酸の結合が運動能の増加をもたらすことが考えられた。また、各CD44のvariantに対する抗体を用いたWestern blotting解析の結果、運動先端部分の細胞では、standard formのCD44の発現の減弱と相まって、variant3(v3)の発現が誘導されることがわかり、悪性中皮腫細胞の運動能にはCD44のvariant form特にv3が関与することが示唆された。さらに、各細胞分画に分けて検討したところ、特に、細胞膜でのV3の発現に顕著な誘導を認めた。 一方、断片化ヒアルロン酸投与では、運動能の増加は認められなかったが、CD44のブロッキング抗体を処理して断片化ヒアルロン酸を投与すると約20%の運動能の増加を認め、運動能に断片化ヒアルロン酸が関与することが示唆された。そこで、悪性中皮腫細胞において、ヒアルロン酸の細胞内への取り込みにCD44が関与し、さらに細胞内でヒアルロニダーゼによる消化を受け断片化ヒアルロン酸が産生されているか、否かを検討するために、zymographyによりヒアルロニダーゼ活性を検討した。この結果、ヒアルロン酸投与により悪性中皮腫細胞のヒアルロニダーゼ活性が上昇することが示され、CD44のブロッキング抗体処理によりそれが阻害された。
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