研究課題/領域番号 |
15790187
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
相島 慎一 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70346774)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 肝内胆管癌 / ラミニン5 / オステオポンチン / 胃型粘液 / Gastric foveolar type / 予後因子 / ラミニンγ2鎖 / 腫瘍進展形態 / 14-3-3蛋白 / リンパ節転移 |
研究概要 |
1.肝内胆管癌におけるラミニン5、オステオポンチン発現の意義 ラミニン5は分化型胆管癌もしくは、胆管内発育型では基底膜側の発現を認めるが、肝実質に浸潤して形成された腫瘤形成型では腫瘍細胞と周囲の腫瘍間質にも発現していた。ラミニン5の腫瘍間質での発現は予後不良であった。 また、オステオポンチンは腫瘍細胞の運動能を促進すると言われていたが、胆管癌の内腔側に発現し、分化度と正の相関を示し、その発現低下は予後不良であった。 2.肝内胆管癌における胃型粘液発現の意義 肝胆膵領域の癌においては癌化に伴う粘液異常発現が報告されているが、胃型粘液MUC5AC、MUC6に注目し肝内胆管癌の腫瘍発育、予後についての検討を行った。肝内胆管癌外科切除100例を対象としてMUC5AC(45M1,CLH2)、MUC6(CLH5)、MUC2(Ccp58)を用いた免疫組織化学的染色を行い(陽性癌細胞10%以上を陽性例と判定)臨床病理学的に検討した。MUC5ACは2種類の抗体ともに40%に陽性で、MUC6は20%、MUC2は9%に陽性であった。MUC5ACとMUC6の染色結果により対象はMUC5AC(-)/MUC6(-);null type(n=43)、MUC5AC(+)/MUC6(-);gastric foveolar type(n=36)、MUC5AC(-)/MUC6(+);pyloric gland type(n=11)、MUC5AC(+)/MUC6(+);gastric combined type(n=10)の4群に分類され、MUC2陽性の9例は、gastric foveolar typeとgastric combined typeにのみ認められた。gastric foveolar typeとgastric combined typeは肝門部付近の腫瘍に多くみられ(p=0.0004)、gastric combined typeとpyloric gland typeには組織学的に高分化型例を多く認めた(p=0.0209)。gastric foveolar typeはリンパ節転移を高率に認め(p<0.001)、そのki67値はpyloric gland typeよりも高かった(p=0.01)。生存率を比較するとgastric foveolar typeは最も予後不良であり、pyloric gland typeは他の群より予後良好であった。【結論】肝内胆管癌における胃型粘液発現は腫瘍の進展、予後と深く関わり、gastric foveolar typeは悪性度が高い腫瘍といえる。
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