研究課題/領域番号 |
15790255
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東北大学 (2004) 関西医科大学 (2003) |
研究代表者 |
山崎 哲男 東北大学, 大学院・医学研究科, COEフェロー (90330208)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | BCR / BCAP / c-Rel / アダプター分子 / 転写因子 / 抗体反応 / アダプター分化 |
研究概要 |
フォスファチジルイノシトール3キナーゼに結合する分子として単離されたアダプター分子BCAPが免疫系の構築に如何なる役割を担っているのかを検討するために遺伝子欠損マウスを樹立した。同マウスでは脾臓B細胞中で最も成熟した分化段階にあるIg(免疫グロブリン)M^<low>IgD^<hi>細胞の寿命が短縮し、その数も野生型の30%にまで減少していた。加えて、BCAP欠損脾臓成熟B細胞は、in vitroでもアポトーシスの亢進を呈した。そこで細胞の生死に関与する一連の遺伝子群を標的とする転写因子NF-κBに着目したところ、その転写活性は障害されており、この際、NF-κBファミリーを構成する分子の中でも、c-Relの選択的減少が判明した。BCAP欠損骨髄細胞へのc-Relの導入によって、B細胞への分化および増殖能が回復したことから、BCAP欠損マウスの表現型の主要な部分はc-Relの発現量低下を背景としたNF-κBの機能不全によって説明しうることが明らかとなった。これらの知見をふまえて、成熟B細胞の恒常性維持に不可欠なBCAPとNF-κBの機能的・物理的連関の分子基盤を解明するために、BCAPの機能ドメインの絞込みを行った。κB配列を含むリポータージーンアッセイによって、NF-κBの活性化には、BCAPのカルボキシ末端に位置するプロリンに富む配列を含む領域と既知の機能ドメインの存在しないアミノ末端1/3が必要とされることを見出した。したがって、BCAPは複数の機能ドメインが関与する複雑な細胞内相互作用を通して、細胞表面の分子イベントを転写因子NF-κBの活性化へと変換する過程に寄与していることが示唆された。
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