研究課題/領域番号 |
15790285
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
平工 雄介 三重大学, 医学部, 助手 (30324510)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 揮発性有機化合物 / エチルベンゼン / 代謝活性化 / DNA損傷 / 発がん性 / 免疫毒性 / 活性酸素 / リスク評価 / 室内汚染物質 / ヘルパーT細胞 |
研究概要 |
大気中汚染物質の中でも、特に屋内の化学物質による健康障害は緊急に解決されるべき重要な問題である。新築住宅の室内では、建築材料や家具に使用される接着剤や塗装剤などからホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの揮発性有機化合物(VOC)が空気中に放出される。ごれらの物質には少量でも長期にわたり連続的に曝露されるため、発がんなどの健康障害が懸念される。エチルベンゼンはラットで腎に、マウスで肺、肝臓に悪性腫瘍を形成するという報告がある。本研究ではVOC、特にエチルベンゼンによる遺伝子損傷機構をヒトがん関連遺伝子DNA断片を用いて解析した。我々はエチルベンゼンを太陽光に曝露した場合に過酸化水素および過酸化物が生成され、銅存在下で酸化的DNA損傷を起こすことを明らかにした(BBRC 2003)。さらに我々は代謝活性化されたエチルベンゼンによるDNA損傷について検討した。エチルベンゼンはラット肝ミクロソームによりベンゼン環の水酸化を受けてエチルハイドロキノンおよび4-エチルカテコールに代謝されることが判明した。これらの代謝物は銅存在下で酸化的DNA損傷を起こした。生体内還元物質NADHの添加により、4-エチルカテコールによる酸化的DNA損傷は劇的に増強した。酸化的DNA損傷にはこれらの代謝物の酸化還元サイクルに伴い生成されるCu(I)と過酸化水素が関与することが明らかになった(Chem.Biol.Interact.2004)。これらの結果から、VOCの代謝物や光生成物などによる遺伝子損傷が、突然変異を介した発がんおよび免疫細胞の直接的な傷害による免疫能低下をもたらし、両者の相互作用が室内汚染物質による健康障害に関与すると考えられる。また我々は種々の環境発がん因子により生成される活性種がDNA損傷をもたらすことを明らかにし、研究報告を多数行っている。
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