研究概要 |
我々は、自己骨髄細胞を用いた肝臓再生療法の臨床応用を進める基盤モデルとして骨髄細胞から肝細胞への分化評価モデル(GFP/CC14モデル)の開発し、骨髄細胞が持続的肝障害の肝硬変時に肝臓に遊走され肝細胞へ分化・増殖することを明らかにした(JB2003、特公2003-70377)。さらにこのモデルの解析を通じ、骨髄細胞移植により生存率の回復、また肝線維化の改善を発見した(Hepatology 2004,この発見はWiley社よりHepatology News Alert記事とし世界に発信された)。さらに骨髄細胞を用いた再生療法をより効率的に行うための骨髄細胞の肝細胞への分子制御機構を骨髄細胞の肝細胞への分化評価モデルGFP/CC14モデルの解析を通じて、骨髄由来細胞の肝細胞への分化過程に関与する遺伝子群を,DNA-ChipとMicroarray-Self Organization Map(SOM)解析を用い骨髄細胞の投与により誘導された遺伝子群の抽出を目指した。その結果、骨髄細胞の肝細胞への分化は初期には形態形成に関与するHOX,HLH型転写制御分子が関与し、後期においては肝細胞の代謝に関与する分子が誘導されていることが明らかになった(FEBS letters2004)。この結果は骨髄細胞の肝細胞への分化において、発生と同じ遺伝子群が関与することが明らかになった。生データはhttp://liver-roject.med.yamaguchi-u.ac.jp/researchのサイトでホームページにて公開している。)。
|