研究課題/領域番号 |
15790350
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
日浅 陽一 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (70314961)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / T7ポリメラーゼ / アデノウイルスベクター / RPA / real-time RT-PCR / PKR / Interleukin-8 / phosphorylated PKR |
研究概要 |
T7 promoterの下流にC型肝炎ウイルス(HCV)全長のcDNAを持つプラスミド(pH77)をCV-1細胞あるいはHuh7細胞にトランスフェクションし、さらにT7ポリメラーゼを発現する組換えアデノウイルス(Ad-T7)を感染させることによりHCV遺伝子を宿主細胞に発現させHCV replication systemを開発した。感染後HCV negative鎖およびHCVコア蛋白は、real-time RT-PCRあるいはWestern Blottingにて9日まで持続的に検出可能でありHCV replicationが確認された。さらに、T7 polymeraseを持続発現する細胞株(Huh-T7)を用いてアデノウイルスを用いないHCV replication systemを樹立し得た。この系においてもHCV negative鎖とHCVコア蛋白の発現持続をみた。これらの系を用いてHCV増殖とそれに関連するPKR, Interleukin-8(IL-8)について発癌への寄与の有無を検討した。 PKRは癌抑制蛋白として報告されているが、これらの系ではHCV発現によりPKRの発現は全ての細胞株で増加した。またPKR活性化の指標であるphosphorylated PKRの増加、phosphorylated eIF2α/total eIF2α比の増加がみられた。HCV E2蛋白・NS5A蛋白を介したPKR抑制作用はこの系においては明らかではなかった。C型肝硬変患者の癌部・非癌部を用いた検討でも、肝細胞癌部では非癌部に比べてPKR発現量の増加、phosphorylated eIF2α/total eIF2α比の増加を伴うPKR活性化がみられた。このことより、PKRはC型肝炎において癌抑制蛋白としてよりもむしろ癌促進因子として働いている可能性が示唆された。 PKRと同様にHCV replicationに関わることが報告されているInterleukin-8(IL-8)についてはHCV発現によりmRNAおよび上清中への産生増加がみられた。今後増加したIL-8がHCV増殖、発癌を促進するかについてはさらに検討する必要があると思われる。
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