研究概要 |
ウシ脳ガングリオシド,各種合成ガングリオシド,Campylobacter jejuniリポオリゴ糖感作によるモノクローナル抗ガングリオシド抗体作成を試みた.アジュバンドを加え調整したウシ脳ガングリオシドや各種合成ガングリオシド,Guillain-Barre症候群患者から分離されたC.jejuniリポオリゴ糖を,1週間毎にGD3合成酵素ノックアウトマウスあるいは,GM2/GD2合成酵素ノックアウトマウスに繰り返し感作した.経時的に採血し,ELISAを用いて抗ガングリオシド抗体を測定し,抗体の上昇が極期に達した時点で,マウスの脾臓を摘出した.ポリエチレングリコール法を用いて脾細胞とミエローマ細胞との融合細胞を作成し,細胞を培養した.IgG抗GM1抗体を始めとするIgG抗GQ1b抗体,IgG抗GD1b抗体など,38種類の各種モノクローナル抗ガングリオシド抗体産生クローンを樹立した.得られたクローンを培養し十分量のモノクローナル抗体を得た. 得られた免疫グロブリン可変部領域のアミノ酸配列をジデオキシ法でシークエンシングし,抗体特性を検討した.神経組織における各種ガングリオシドの発現パターンを検討し,組織,細胞レベルでの局在を明らかにするために,免疫組織化学的に一連のモノクローナル抗ガングリオシド抗体を反応させた.ラットの小脳脊髄神経,末梢神経を摘出し,固定後神経組織の薄層切片を作成し,モノクローナル抗GD1b抗体を用いてラット後根神経節にGD1bが局在することを確認し,固有感覚に関与するパルブアルブミンと共に局在することを明らかにした. その成果について、平成16年9月の国際神経免疫学会で口演した.さらに,筆頭著者としてJournal of Neuroimmunology投稿へ向けて準備中であり,ほぼ完成した.
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