研究課題/領域番号 |
15790498
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 賢一 大阪市大, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (20305618)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 好中球 / アポトーシス / G-CSF / GM-CSF / cIAP2 / JAK2 / STAT3 / 慢性好中球性白血病 |
研究概要 |
好中球は自然にアポトーシスを起こし、2〜3日以内に死滅する。好中球のアポトーシスはシクロヘキシミドにより促進された。このことは、好中球の生存維持には、抗アポトーシス作用を有する蛋白質が構成的に合成されることが必要であることを示している。好中球のアポトーシスはG-CSF、GM-CSF及びcyclic AMPにより抑制され、その生存が延長した。G-CSF及びGM-CSFによる抗アポトーシス作用はシクロヘキシミドにより抑制され、特定の抗アポトーシス分子の誘導を介していると考えられた。候補分子を探索した結果、IAP (inhibitor of apoptosis)ファミリー分子であるcIAP1、cIAP2及びXIAPがヒト好中球に発現しており、これらの分子の中で、cIAP2がG-CSF刺激によりin vivo及び in vitroにおいて特異的に誘導されることを明らかにした。G-CSF刺激によるcIAP2の発現誘導は、JAK2-STAT3を介して転写レベルで制御されており、G-CSFはcIAP2の発現誘導を介して抗アポトーシス作用を示すと考えられた。また、慢性好中球性白血病ではcIAP2の過剰発現がみられ、好中球の生存が著しく延長していた。一方、慢性骨髄性白血病患者から得られた成熟好中球ではcIAP2の過剰発現は認められず、好中球の生存も正常であった。これらの結果は、G-CSFがJAK2-STAT3を介してcIAP2を特異的に誘導することによって抗アポトーシス作用を示し、また、慢性好中球性白血病においては、cIAP2の過剰発現が好中球数の増加と白血病化に関与していることを示唆している。
|