研究課題/領域番号 |
15790502
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松岡 佐保子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20317340)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / ニッチ / Tie2 / ngiopoietin1 / 細胞周期 / Side Population / 未分化性維持 / Angiopoietin-1 |
研究概要 |
造血幹細胞は、全ての血液細胞に分化しうる多分化能と自身を複製する自己複製能を持つ細胞と定義され、定常状態では、細胞周期の静止した状態で未分化性を維持したままニッチと呼ばれる場所に存在すると考えられている。DNA染色色素であるHoechest33342より細胞を染色し、FACSにて二波長の励起光を二次元に展開すると、Hoecest弱陽性のSide Population(SP)と呼ばれる集団が得られるが、本研究にて、このSPの詳細な解析を施行したところ、c-kit陽性Sca1陽性Lineage陰性(KSL)という造血幹細胞集団のなかのSP(KSL-SP)は、細胞周期上静止期(G0期)にいる"静的な幹細胞"が存在する分画であることを見出した。この細胞集団は、様々なストレスに対して抵抗性を示し、ニッチにいる幹細胞としての性格もよく持ち合わせていることがわかった。申請者らは、幹細胞を静止状態に保つ細胞周期制御機構を明らかにすることによって、幹細胞の動態を解明しうると考え、造血幹細胞に特異的に発現している受容体型チロシンキナーゼTie2とそのリガンドであるAngiopoietin-1の造血幹細胞の静止状態の維持における役割を検討し、マウスにて、Tie2は細胞周期の静止した幹細胞に強く発現していること、Angiopoietin-1は幹細胞からやや分化した前駆細胞までの比較的広い細胞集団に発現していることを認め、静止状態にある造血幹細胞は、骨表面においてストローマ細胞と接着し未分化性を維持しており、Angiopoietin-1を作用させてTie2を活性化させると、造血幹細胞はストローマとより接着し、その未分化性が保たれるという知見を得た(Arai F. et al. Cell. 2004;118:149-61)。
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