研究課題/領域番号 |
15790503
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
渡邊 直英 慶應大, 医学部, 助手 (90338054)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | PI3K p85α / Btk / Tec / PLCγ2 / GP VI / ITAM / ノックアウトマウス / 細胞内刺激伝達 |
研究概要 |
クラスIAのPI3Kの主要な活性調節サブユニットであるp85α欠損血小板では、クラスIA全体のキナーゼ活性は正常血小板の5%にまで低下しており、コラーゲン以外の血小板活性化物質に対する反応は正常であったが、コラーゲン受容体GP VIを介した機能は、凝集、脱顆粒、フィブリノゲンへの結合、粘着のいずれの反応も正常血小板と比べ著しく低下していた。そして、この機能低下は下流分子であるBtk、Tec、PLCγ2のリン酸化の低下が原因である事を示し、Blood誌に発表した。(Blood 2003;102:541-548.) 次にクラスIAのPI3Kの下流で働くBtkの欠損血小板の機能を検討し、p85α欠損血小板と同様GP VIを介した反応のみに機能低下を示す事を明かとした。また、血小板には、Btkと同様の蛋白構造を持つTecキナーゼが存在するので、Btk/Tec二重欠損マウスを作成しその血小板機能を検討した。ここでは各々の単一欠損より二重欠損血小板の方がGP VIを介した反応は低下し、それはPLCγ2のリン酸化の低下が原因である事を発見したが、これは英国のグループに先に発表された。ここでBtkもTecもそのPHドメインを介してPI3Kの産物であるPIP3に結合する事で細胞膜直下に移動し働く蛋白であるので、p85α欠損はBtk、Tec二重欠損と同様の機能障害を示すと考えられるが、実際にはp85α欠損よりもBtk欠損血小板の機能障害の程度は強かった。 また、p85α/Btk二重欠損マウスを作成し、血小板機能を検討した所、各々の単一欠損血小板よりもGP VIを介した反応は著しく低下する事が確認されたので、Btkが、PI3Kだけでなく、他の経路からも刺激伝達を受けている可能性が示唆された。さらにBtkが細胞膜直下に移動する為のアダプター蛋白を共免疫沈降法にて同定し、投稿準備中である。
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