研究概要 |
1.野生型マウス(C3H/HeN)およびToll-like receptor (TLR)-4欠損マウス(C3H/HeJ)に致死量の放射線(1000rad)を照射した後、経時的に表皮シートを作製。表皮内ランゲルハンス細胞(LC)を蛍光標識して数的変化を検討した。野生型マウスでは照射後48時間でコントロールの約70%、照射後1週間で約50%まで減少した。TLR-4欠損マウスでは野生型マウスと比べ、減少の程度はわずかに少なかったが、有意な差はなかった。 2.野生型マウスおよびTLR-4欠損マウスに致死量の放射線(1000rad)を照射した後、経時的に皮膚を採取し、表皮細胞を単離。LCにおける活性化マーカー(CD40,CD80,CD86,HLA-DR)の発現の変化をフローサイトメトリーにて確認したが、野生型マウス、TLR-4欠損マウスおよびそれぞれの放射線非照射コントロールの間に有意な差は認めなかった。 3.野生型マウスおよびTLR-4欠損マウスから採取した皮膚を器官培養し、種々の量の放射線を照射。表皮から培地中に遊走するLC数を検索したが、放射線照射マウス、TLR-4欠損マウスおよびそれぞれの放射線非照射コントロールの間に優位な差はなかった。また、培地中に遊走したLCの活性化マーカー(上記)の発現の変化をフローサイトメトリーにて確認したが、野生型マウス、TLR-4欠損マウスおよびそれぞれの放射線非照射コントロールの間に有意な差は認めなかった。 4.野生型マウス(C3H/HeN,Balb/C)に致死量の放射線(1000rad)を照射した後、経時的に皮膚および表在リンパ節を採取し凍結切片を作成。形質細胞様樹状細胞(pDC)のマーカーで免疫染色を行ったが、放射線照射群と非照射群の間に数的差は無かった。 5.4.と同様の条件下で採取したリンパ節の細胞浮遊液を用いてリンパ節中のpDCの活性化マーカー(上記)の発現の変化をフローサイトメトリーにて確認したが、放射線照射群と非照射群の間に有意な差は無かった。
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