研究課題/領域番号 |
15790652
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
本折 健 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (30344998)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 脳脊髄液 / 流速計測 / 数式モデル / 核磁気共鳴装置 / 能脊髄液 |
研究概要 |
本研究は既に確立されているMRIによる形態画像・流速測定の手法とコンピューターを用いた応用物理学と応用数学の流体解析の手法を組みあわせることで、脳脊髄腔内の複雑系全体を解析し、各種病態の病因解析・予後の予測・治療の指標へと応用することを目的として開始した。脳脊髄液の拍動運動に関与する各種のパラメーター、-すなわち脳内へ流入・流出する血液動態・脳血管床の変化・脳実質の拍動運動・脳脊髄液の拍動運動・脳脊髄液の産生と吸収-、を統合した複雑系のモデルを作成する。さらに作成したモデルをMRI・超音波等の実測データと比較し、必用なパラメーターの調整を行い、水頭症・キアリ奇形・脊髄空洞症等の病態における臨床診断法の信頼性の確立を目的とした。 本年度は昨年度開発した脳脊髄腔内の動態解析の4次元流体モデル確立と解析のためのコンピュータープログラムの有効性を検討した。このプログラムは脳脊髄腔内流体動態のモデル化として、脳脊髄動静脈の血液動態・脳脊髄血管床の動態・脳脊髄液の拍動運動・脳脊髄の弾性変化のパラメーターを含んだ複雑系を弾性体・流体力学の数学的手法を用いてモデル化したものである。中枢神経MRI検査時に、患者に事前に本検査の目的や予測される有害事象を十分説明し、了解の得られた場合のみ、解析ソフトを適応した。患者への負担は通常の検査と全く同様で、危険もなく、また解析に際して、個人情報の漏出のおそれもない。正常ボランティア3例と脊髄液の貯留が疑われる患者1例に適応した。その結果、患者では脳脊髄液の流速が正常者より低下していることが示唆された。今後、プログラムの改良と患者への応用を進めていく予定である。
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