研究概要 |
1.時間分解分光測定装置の調整 装置の調整,品質管理を定期的に施行した。装置の安定性は問題ないと思われた。 2.頚部リンパ節転移の光学的パラメータ測定 昨年度に引き続き,頚部リンパ節転移の光学的パラメータを測定した。 対象: 4cm以上の頚部リンパ節転移を有した頭頚部扁平上皮癌症例3例において,光学的パラメータを測定した。 方法: 化学放射線療法開始前3日以内と外照射線量が40Gyになった日または翌日に測定を行った。測定は当施設のIRBで承認された説明文書を用いて同意を得た後に施行した。 暗室にて自作した測定用プローブを腫大リンパ節表面に密着させ,光ファイバー間距離25mmにて反射光を測定した。 時間分解分光測定装置により得られた時間分解曲線を理論式にフィッテングさせることにより,波長750nmと808nmにおける光吸収係数や光散乱係数等のパラメータを算出した。 結果: 治療前の吸収係数,散乱係数はともに子宮頚癌などの測定結果よりも低値であった。 外照射線量40Gy時の治療効果判定では,3例ともNCであった。 昨年度の4症例を含めて計7症例で検討したが,光学的パラメータと初期治療効果との関連性は見出せなかった。 まとめ: 化学放射線療法の初期効果と治療前の光学パラメータとの関係については,症例数が少ないため,一定の傾向を見出せなかった。今年度で研究期間は終了するが,引き続き症例を蓄積して光学的パラメータが放射線治療効果の予測因子となり得るか検討するつもりである。
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