研究課題/領域番号 |
15790693
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮本 正樹 北海道大学, 病院, 助手 (40333611)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 膵癌 / 遺伝子診断 / 遺伝子治療 / RNAinterference / 遺伝子導入ベクター / HIV-1 Tat PTD / PEDF / survivin |
研究概要 |
膵癌の遺伝子治療に利用する標的遺伝子を抽出することを目的として、臨床検体を用いた遺伝子解析を行った。北海道大学病院および33の関連施設で切除された癌組織を、十分なインフォームドコンセントに基づいて超低温下に凍結保存し、約6000症例の腫瘍組織による検体ライブラリーを構築した。このうち、2003年12月までに31症例の膵癌の遺伝子発現解析を施行し、1289の癌関連遺伝子についての発現プロファイルを作成した。これらのデータを症例の臨床病理学的因子と比較検討した結果、リンパ節転移の有無を診断し得る遺伝子群として40、短期再発を予測する遺伝子群として46の遺伝子を抽出した。個々の遺伝子検索ではRCAS1の強発現が膵癌患者の予後と強く相関することが明らかになった。同様の方法でCaveolin-1遺伝子の過剰発現が膵癌患者の予後と強く相関することが明らかになった。近年報告された血管新生阻害因子であるPEDF(Pigment Epithelium Derived Factor)は膵臓の正常組織で発現していることが報告されている。膵癌においてはPEDFの発現低下が手術後の肝転移を有意に増大させ、患者の予後を不良にする因子であることが明らかになった。以上のことから、これらの遺伝子を標的遺伝子としてRNAi作成を行った。アポトーシス抑制遺伝子であるsurvivinに対して5種類のRNAi配列を構築し、うち2種類の配列を用いることでsurvivinの発現を抑制可能であることを見いだした。一方で、RNAi発現プラスミドを細胞内に導入するシステムを開発した。HIV-1のTatPTDとリジンの重合体を融合させ、これをプラスミドDNAと複合体形成させて細胞に暴露することで、エンドサイトーシスによってRNAi発現プラスミドが各種癌細胞内に取り込まれることが確認された。
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