研究課題/領域番号 |
15790721
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
木村 康利 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80311893)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 大腸癌 / リンパ節転移 / VEGF-C / GFP / 大腸 |
研究概要 |
【目的】VEGF-Cがリンパ管増生やリンパ節転移に直接寄与しうるかを検討する。 【方法】ヒト大腸癌細胞株(DLD-1)にVEGF-C遺伝子を導入したDLD1-VEGF-C細胞株およびMock遺伝子を導入したDLD1-Mock細胞株を樹立した(既報)。5×10^6個の細胞をマウスの直腸粘膜下に移植し、原発巣、腸間膜根部リンパ節、大動脈周囲リンパ節、肝、肺における腫瘍形成を評価した。各種細胞株にはGFP発現ベクターを併せてダブルトランスフェクションし、生体内で転移の有無を評価可能なシステムを確立した。 【結果】直腸における腫瘍形成率はDLD1/GFP-Mockで100%(12/12)、DLD1/GFP-VEGF-Cで100%(12/12)であった。原発巣における腫瘍体積はDLD1/GFP-Mock;381±732cm3,DLD1/GFP-VEGF-C;308±68.8cm^3であり、有意差を認めなかった。腸間膜根部リンパ節あるいは大動脈周囲リンパ節に転移を認めたマウスの数はDLD1/GFP-Mockで3/12(25%)であったのに対し、DLD1/GFP-VEGF-Cでは12/12(100%)とDLD1/GFP-VEGF-Cで有意に多かった(P<0.001)。肝、肺にはいずれの細胞株においても転移を認めなかった。 【考察】これまで我々は胃癌細胞株にVEGF-C遺伝子を導入する事により細胞株のリンパ節転移能が著明に上昇することをマウス胃壁同所移植モデルにおいて示し、報告してきた。今回、大腸癌細胞株にVEGF-C遺伝子を導入し直腸へ同所移植したところ、胃癌と同様にリンパ節転移能の上昇を認めたことから、大腸癌においてもVEGF-Cはリンパ節転移形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。 【結論と展望】マウス同所移植モデルを用いた検討から、VEGF-C遺伝子導入により大腸癌のリンパ節転移能が亢進する事が示された。今後は、VEGF-Cがどの様な機序をもってリンパ節転移を惹起しうるか、詳細に解析したい。
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