研究概要 |
1.弁膜症患者で房室弁逆流を有する患者においては可能な限り弁形成術を行った.全例術前術後の心エコー図(カラードプラー法)を行い,形成弁の残存逆流をすべて記録した.対象の多くが心房細動患者であるが心房細動に対するメイズ手術が行われない限り洞調律復帰する弁形成症例が蓄積されないことが判明した.心内膜側からと心外膜側からの2通りのRadiofrequency Systemによるメイズ手術洞調律に復した症例に比べて心房細動が残存した症例は房室弁逆流も残存しやすい結果となっている.2006年の10月に学会報告の予定である. 2.上記症例をもとに心内膜側からの高周波Radiofrequency Systemによるメイズ手術の心房細動制御の2年以上の遠隔成績は良好であることを2005年3月に日本外科学会総会定期学術集会で報告した.心外膜側からのRadiofrequency Systemによるメイズ手術の早期成績が不良であることは2006年10月に学会報告の予定である. 3.2005年1月から導入した心外膜側からの高周波Radiofrequency Systemで房室弁形成術を行わない症例でも房室弁逆流抑止効果を得られる可能性があるが,症例が1例しか得られていない.今後の症例集積と追加検討を要する.
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