研究概要 |
マウスIL-2のcDNAは東北大学加齢医学研究所西城博士より供与を受けた.同年は過去の研究でマウスIL-12を用いているがこれはレトロウィルスの形でしか保存されていないため、他施設に供与を依頼している.IL-2のcoding lesionを含む部分を制限酵素EcRIで切り出した. 大阪大学宮崎純一博士より供与を受けた強制発現ベクターpCAGGSのMultiple cloning sliteをEcoRIで切断した.両者をT4 DNA ligaseでligationし,大腸菌に形質転換して得られたコロニーからプラスミドを精製し,インサートに切断部位をもつPst1で挿入方向を確認して,正しい方向にインサートが挿入されたプラスミドDNA:pCAGGS-IL2を得た. プラスミドpCAGGS-IL2と,対照とする蛍光遺伝子PCAGGS-GFP両者をQIAGEN plasmid maxi kitを用いて増幅・精製,純水に溶解し1.0μg/μlのプラスミド溶液とした.8週齢の近交系マウスC576J/BLの左後肢を除毛し経皮的に刺入した電極でエレクトロポレーションを行った.エレクトロポレーションは我々がこれまでの実験で用いている条件で行った.0.4mm径で5mmの間隔に固定された針型電極を用いエレクトロポレーターCUY21で発生した50ms,100Vの矩形波のパルス電流を,電極間に5μgのプラスミドを筋注した直後に,6回通電した.遺伝子導入時およびその後の飼育において死亡したマウスはなかった.導入後5日,7日,14日後に尾静脈より採血を行い血清を分離し,mouse lL-2 ELISA kitを用いてIL-2の確認を試みたが,対照群(pCAGGS-GFP),実験群(pCAGGS-IL2)ともに血清中にはIL-2は確認されなかった.文献的にも血液中でのIL-2の半減数期は数分間と短いため,血清中ではその存在を捉えられなかったと考えられた.
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