研究課題/領域番号 |
15790809
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
合谷木 徹 秋田大学, 医学部, 講師 (30302277)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | βブロッカー / 脳虚血 / エスモロール / ランジオロール / ノルエピネフリン / プロプラノロール / カルベジロール |
研究概要 |
背景:短時間作用型のβアドレナリン受容体遮断薬(βブロッカー)の脳保護作用を実験的に検討することによって、その機序を解明し、今後の急性脳虚血障害の予防薬の一つの手がかりになることが期待できる。 方法:雄のS-Dラットを用いて、ハロセン麻酔下に行う。虚血開始約30分前に各薬剤の静脈内投与を開始し、24時間後まで継続する。側頭筋の温度を37.5℃に保ち、先端を丸く細工した3.0ナイロンを内頚動脈へ進め、レーザ血流計により血流の低下を確認しながら選択的に中大脳動脈領域を虚血にする。虚血2時間後、ナイロンを引き抜き再灌流させ麻酔より覚醒させる。再灌流後22時間後に、神経学的検査を行い、再びハロセン麻酔下に、脳を取り出す。脳を冠状断に7つの切片に切りTTC(2.3.5-triphenyltetrazolium chloride)で染色する。梗塞巣をコンピュータを用いて数字化して各群を比較する。1)グループを対照群(生食)、エスモロールiv(200μg/kg/min)、ランジオロールiv(40μg/kg/min)、エスモロールit(10μg/kg/min)の5群に分けivは経静脈的に、itはくも膜下腔に投与した。2)虚血前に線状体にマイクロダイアリシスプローブを挿入固定し、生食投与、エスモロールiv、ランジオロールivのラットで虚血前後のノルエピネフリン濃度を測定した。 結果:1)薬物投与により神経学的所見は有意に改善した。生食投与のラットに比較して、エスモロールiv、ランジオロールiv、エスモロールit、ランジオロールit投与されたラットでは梗塞巣が有意に減少したが、薬物投与経路による差は見られなかった。2)虚血前後の線状体のノルエピネフリン濃度は、虚血後に有意に上昇し、そのピークは50分後に見られ、再灌流直前には減少し再灌流50分後には虚血前の値と同程度になった。薬物投与による差は見られなかった。 結論:βブロッカーによりラットの脳梗塞モデルにて梗塞巣の減少がみられ、保護効果が示唆されたが、虚血中の線状体のノルエピネフリン濃度の関与は低いことが示唆された。
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