研究課題/領域番号 |
15790880
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大野 智 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (90345629)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 腫瘍関連マクロファージ / 子宮体癌 / がん免疫療法 / アポトーシス / 血管新生 / 予後予測因子 |
研究概要 |
本研究の目的は、子宮体癌原発巣組織を用いて腫瘍関連マクロファージ(TAM)に対して免疫組織化学染色(CD68)を行い、その相対的発現量を組織学的局在(腫瘍細胞巣に浸潤または接触;nest TAM、中心壊死部に集簇;hot-spot TAM、腫瘍間質に浸潤:stroma TAM、腫瘍浸潤先進部と正常組織との境界部に集積・散在;margin TAM)に基づき臨床病理学背景との関連および予後への影響を検討し、さらに腫瘍組織内TAMの機能を明らかにすることで、がん免疫療法への応用をはかるものである。本年度は70例の子宮体癌症例を用いて、上記の組織学的局在によるTAMの臨床病理学的背景・予後との関連性の違いについて検討し報告した(Anticancer Res 24;3335-42,2004)。 さらに上記の組織学的局在に従って検討したTAMのうち予後良好因子であったnest TAMの機能解析のため、腫瘍細胞のアポトーシス誘導との関連性を検討したところnest TAMと腫瘍細胞アポトーシスとの間に相関関係が認められた(p<0.0001)。また、その作用機序として腫瘍壊死因子(TNF-α)が関与している可能性を免疫組織化学染色にて明らかにした。一方、予後不良因子となったhot-spot TAMの機能解析のため、血管新生(CD31)との関連性を検討したところhot-spot TAMと腫瘍組織内微小血管密度との間に相関関係が認められた(p<0.001)。その作用機序として血管内皮増殖因子(VEGF)が関与している可能性を免疫組織化学染色にて明らかにした。 これらの結果より、TAMは、その組織学的局在によって機能が異なり、抗腫瘍活性を有するnest TAMを誘導することで、がん免疫療法応用への可能性が示唆されたともに、血管新生に寄与するhot-spot TAMの浸潤を如何に抑制するかも今後の課題として明らかとなった。
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