研究課題/領域番号 |
15790884
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
加藤 清 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (40334908)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | mig-2 / endometrium / endometrial carcinoma / ER PR / sex steroid hormone / myometrium / leiomyoma / leiomyosarcoma / uterus |
研究概要 |
子宮平滑筋腫瘍で発現が亢進している分子として我々が確認したmig-2(mitogen-inducible gene-2)の、正常および悪性の子宮内膜腺上皮における機能を解析する目的で、mig-2蛋白発現を検討した。患者の同意を得て採取された正常子宮内膜組織22例(増殖期9例、分泌期13例)および子宮内膜癌組織48例(grade 1:17例、grade 2:17例、grade 3:14例)のパラフィン抱埋切片について、当教室で作成した抗mig-2抗体を用いてmig-2の免疫染色を行った。平滑筋腫瘍同様にmig-2は主に核で強く染色を認めた為、その核染色強度を%核染色陽性率=positivity index (PI)で評価した。その結果、以下のことが示された。(1)正常子宮内膜腺上皮においては分泌期(PI=8.8)に比して増殖期(PI=54.1)で有意に発現が増強している。(2)子宮内膜癌ではgrade 1(PI=48.1)、grade 2(PI=53.6)に比してgrade 3(PI=23.8)で有意なmig-2発現低下を認めた。また、mig-2発現とPR (progesterone receptor)発現の間に有意な逆相関を認めた。(3)PI≧10をmig-2陽性症例と定めた場合、mig-2陰性症例は陽性症例に比して、有意差はなかったものの予後不良の傾向を認めた。以上より、正常子宮内膜腺上皮での性周期による発現変化から、mig-2発現が性ステロイドホルモンによって調節されていることが示唆された。また子宮内膜癌におけるmig-2発現を伴わない異常な増殖機構の獲得が、癌の悪性度の上昇(低分化、予後不良、性ステロイドホルモンの制御からの逸脱)に関与している可能性が示唆された。今後はmig-2が特に細胞増殖機構に果たす役割を詳細に検討していく予定である。
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