研究概要 |
CRH(Corticotropin-releasing Hormone)の卵巣での生理的作用、特に排卵・卵成熟のにあたえる影響を調査した。 日齢21の雌BDF1マウスより卵巣を摘出後、pre-antral follicleを分離する。αMEMにhFSH, ITS, FBSを添加した20μlの培養液中で12日間培養を行い、12日めにHCGを加え排卵を誘起した。培養液中に10^<-7>MCRHを添加した群をCRH群、添加しない群を対照群として、卵胞の直径・排卵率・卵成熟をそれぞれの群で比較検討した。 CRH群・対照群で発育した卵胞および卵の直径はほぼ同等で差を認めなかった。しかし、排卵率はCRH群90.7%・対照群97.3%と有意にCRH群で低下していた。また、卵の核成熟を比較するとCRH群は68.8%、対照群は84.5%がmetaphase IIとなっており、有意差を認めた。培養液中にCRHと同時にCRH受容体拮抗薬を加えると、CRH群で低下していた排卵率・MII率は対照群と同程度となった。 排卵した卵を用いて体外受精をおこない、胚発生についても検討した結果、胚盤胞への発生率は両群で差がなく、排卵後の胚発生は同等であった。
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