研究課題
若手研究(B)
Rolling Mouse Nagoya(RMN)はCa^<2+>チャンネルα_<1A>サブユニットをコードする遺伝子に変異を持つミュータントで、小脳性運動失調を示す。unipolar brush cell(UBC)は前庭小脳に存在する介在ニューロンで前庭小脳線維からの興奮性入力を増幅し、平衡感覚の維持に重要な役割をする。本研究はRMN小脳におけるUBCの分布とUBCに投射する苔状線維終末でのCRFの動態を免疫染色により検討した。RMN小脳ではカルレチニン(CR)陽性UBCは前庭小脳(虫部IX, X小葉、片葉)にみられ、その分布は対照マウスと変わらなかった。虫部X小葉においてCR陽性UBCに投射するCRF陽性苔状線維終末の数は、虫部X小葉では、RMNでコントロールと比較して有意な増加が認められたが、片葉においては有意差を認めなかった。CRFは小脳皮質では神経修飾因子として働き、後過分極を抑制することによりAMPA受容体の感受性を亢進させる。UBCにはAMPA受容体が存在するため、RMN虫部X小葉におけるCRF陽性苔状線維終末による支配増強はCR陽性UBCを介した興奮性神経路を賦活化させると考えられる。虫部X小葉は登上線維を介して耳石器官からの入力を受けている。従ってRMN虫部X小葉におけるCRF陽性苔状線維によるCR陽性UBCの支配増強は、耳石器官を介した頭部の直線方向の運動に対する適応反応を傷害していると考えられる。
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