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角膜上皮幹細胞発生の由来に関する形態学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 15790992
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 眼科学
研究機関山口大学

研究代表者

関 馨介  山口大学, 医学部, 客員助教授 (50318820)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
キーワード角膜上皮 / 発生 / 免疫組織化学 / マウス / 微細形態学
研究概要

本年度は,角膜上皮の分化過程のうち生後の開瞼(Eye opening)による角膜上皮細胞の分化過程について,生後5日から成体に至るまでのマウス眼組織を用い,免疫組織化学的検索および電子顕微鏡的観察を行った。
Hematoxylin-Eosin標本では,開瞼前の生後10日までは角膜上皮は2層の扁平な上皮細胞のみにより構成されているのに対し,生後12日の開瞼時には上皮の多層化が起こり,上皮層全体の厚みが顕著に増大するのが観察され,開瞼前に扁平な細胞2層によって構成されていた上皮は,開瞼と同時に立方状の形態を示す基底細胞による層と,それより表層側の扁平な細胞による多層化した細胞層とに分化していることが明らかとなった。角膜上皮に特異的なK12及び重層扁平上皮の基底細胞に特異的なK14に対する免疫染色では,開瞼後立方状の形態を示す基底細胞はK12,K14双方に陽性である一方,それより表層側の多層化した細胞層はK12にのみ陽性であることから,開瞼と同時に起こる角膜上皮の厚みの増大は,(1)基底細胞の立方状の形態への形態変化,および(2)それよりも表層に位置する細胞層の多層化によることが明らかとなり,開瞼と同時に角膜上皮細胞の分化,即ち基底細胞から翼細胞,表層細胞への分化が始まることが示唆された。更に,上皮に発現する細胞接着装置に着目して行った免疫組織化学的検索および電子顕微鏡による微細構造解析から,開瞼後の角膜上皮では,最表層におけるtight junctionの分布がより複雑な網目構造として観察され,開瞼と共に角膜上皮のバリア機能が発達することが明らかとなった。
次に,通常の開瞼過程よりも前の時期の生後8日に眼瞼を外科的に強制開瞼し,その2日後の生後10日に組織を摘出,同様の組織化学的手法により検討した結果から,通常の発生過程では開瞼の起こらない時期に強制的に開瞼した場合にも,通常の開瞼後の生後14日と同様の観察結果,即ち,基底細胞の形態変化と表層側の細胞層の多層化による角膜上皮の厚みの増大とkeratin発現における上皮細胞の分化,更にtight junctionの形成によるバリア機能の発達が起こることが判明し,このことから,開瞼による角膜上皮細胞の分化は,発生過程での時間的プログラムとは別に,大気に曝されることによって進行することが示唆された。以上の結果から角膜上皮の分化過程には,胎生期の眼瞼融合時に起こる表皮外胚葉から角膜上皮として分化する過程と,生後の開瞼に伴い,角膜上皮基底細胞から翼細胞,表層細胞へと分化が進行する過程の2つの相の分化過程が存在することが明らかとなり,前者は組み込まれている発生のプログラムにより起こる一方,後者は発生のプログラムとは別に,外界からの大気による刺激によって起こることが示唆された。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Eyelid fusion and Epithelial Differentiation at the Ocular Surface During Mouse Embryonic Development

    • 著者名/発表者名
      Hui Zhang, Makiko Hara, Keisuke Seki, Ken Fukuda, Teruo Nishida
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Ophthalmology (印刷中)

    • NAID

      10016485077

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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