研究課題/領域番号 |
15790995
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
廣岡 一行 香川大学, 医学部, 助手 (10325350)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 緑内障 / 神経保護 / Ginkgo Biloba Extract / フリーラジカルスカベンジャー / GINKGO BILOBA EXTRACT / 一酸化窒素 |
研究概要 |
目的:Ginkgo biloba (EGb 761)はイチョウ葉から抽出された複合エキス成分であり、最近ではフリーラジカルスカベンジャーとしての作用が注目されている。今回EGb 761のラット慢性高眼圧モデルを用いて、網膜神経節細胞障害に対する神経保護作用について検討した。 方法:ラット慢性高眼圧モデルは、右眼の上強膜ジアテルミー凝固により作成した。左眼は無処置とした。眼圧は処置前と処置後2週毎に一回測定した。EGb 761を飲水により投与し、投与群と蒸留水投与群とにわけ、5か月投与した。5か月後に3% fast blueを両側の上丘内に注入し、その5日後に網膜伸展標本を作製し、標識された網膜神経節細胞を数えた。 結果:上強膜静脈凝固を行った処置眼の眼圧は平均で僚眼の約1.5倍に処置後5か月間維持され、この慢性的に眼圧の上昇した処置眼の眼圧は、対照群(蒸留水投与)およびEGb 761投与群との間に有意差はなかった。網膜神経節細胞消失率はEGb 761投与群4.6±4.5%、対照群29.8±1.5%であり、EGb 761を投写することにより網膜神経節細胞の消失は有意に抑制された。 結論:EGb 761は、ラット慢性高眼圧モデルでの網膜神経節細胞障害に対して眼圧を下降させることなく、網膜神経節細胞障害に対して神経保護作用があることが示唆された。神経細胞死において一酸化窒素(NO)の発生がグルタミン酸毒性の発現に関与しているという報告があり、このNOが大量に放出されることにより、カルシウムの細胞内流入を促進し、細胞死を惹起すると考えられていることから、EGb 761がNO消去剤として作用することにより神経細胞死が抑制されたのではないかと考えられた。
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