研究課題/領域番号 |
15791090
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
吉岡 隆知 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60323698)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 根管洗浄法 / 根管内吸引洗浄 / 根管形態の複雑さ / 電気的根管長測定 |
研究概要 |
根管治療では、多くの凹凸や湾曲を有する根管を清掃するためには根管洗浄で対応しなければならない。従来の根管洗浄法では根尖部に洗浄液注入時の圧がかかり、疼痛を生じたり、根尖孔外に液が溢出して事故につながる危険性があった。根管形態の複雑さに対応し、かつ安全な根管洗浄法を開発することが必要とされる。 本研究の目的は根尖孔からの洗浄液の溢出を最小限に留めながら、根尖部象牙質を洗浄する方法について、根管内吸引洗浄法を考案し、抜去歯を用いて検討することである。洗浄液の根管内での位置を調べるためには電気的根管長測定法(EMR)を応用した。 洗浄液には6%NaClOおよび15%EDTA溶液を、マスターフレックスデジタル送液ポンプ(Cole-Parmer Instrument Co.,USA)に洗浄針(ブラント針、27G、外径0.41mm、ニプロ)を装着したチューブを経由して根管内に注入した。送液ポンプの流量は1.0ml/minから9.0ml/minまで0.1ml/minづつ連続的に増加させた。根尖孔から洗浄液が溢出を始めたときの流量を最大流量(ml/min)とした。根管内吸引にはPORTA-CART(Adec、USA)バキュームを使用し、バキュームチップ先端に自作のアダプターを介して吸引針(ノンベベル針、22G、外径0.71mm、テルモ)を装着した。洗浄液を供給する洗浄針および吸引する吸引針の根尖孔からの位置は、根管内洗浄群ではそれぞれ15mmおよび5mm、従来法洗浄群では5mmおよび15mmとした。 MAFが#50の抜去歯を用いた実験の結果、根管内洗浄群では9.0ml/minでも根尖孔から洗浄液が溢出することはなかったが、従来法洗浄群では2.0-2.5ml/minで根尖より洗浄液は溢出した。また、洗浄液の根管内での到達位置は、EMRとによりモニタリングすることができた。抜去歯根管壁面をSEM観察したところ、EMRによりEDTAが到達したと推定された部位でのみ、スミヤーが除去されていた。以上のことより、根管内吸引洗浄法は、根尖孔からの洗浄液が溢出することなく根尖孔付近まで根管洗浄可能な方法であることが明らかとなった。今後、MAFが#35の根管でも実施可能なように、吸引針の形態を乖離要していく必要がある。
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