研究概要 |
1.2003年度International Assosiation for Dental Research(IADR)のSweden大会において演題「Immunoelectron Microscopic Characterization of Dendritic Cells in Rat Apical Periodontitis.」が,IADR/Uinleve Hatton Travel Awardを受賞した. 2.ヒトの抜去された歯より摘出した根尖性歯周炎あるいはラット第一臼歯の正常歯髄・歯根膜に起こした歯髄炎・根尖性歯周炎を検索対象に実験を行った.抗体として,CD80,CD86,抗MHCクラスII抗原(OX6),CD11c,ED1,OX62を主として用い免疫単染色あるいは二重染色後の陽性細胞を,電子顕微鏡,共焦点レーザー顕微鏡を用い,樹状細胞あるいはマクロファージの形態および分布密度を詳細に検索した.現在までにCD80+CD86+OX6+OX62-CD11c+の樹状細胞がもっとも,抗原提示細胞として炎症時の病態の慢性化に関与する細胞と考察され,IADR,顕微鏡学会にて発表された.これらの研究成果の一部は日本歯科保存学会誌に論文発表予定(47巻2号)である. 3.乳歯の歯髄炎などの機構の解明に対する実験に参加し,2の実験で確立された免疫染色および免疫電顕の技術を提供した.これらの研究の成果はArchives of Oral BiologyあるいはPathology Internationalに発表された. 4.樹状細胞の培養系を確立するために,抹消血より採取単離した単球の培養を始めている.次年度はこれらの単球をサイトカインにより刺激し,樹状細胞に分化させる.さらに特定の細胞表面抗原を発する樹状細胞を単離し,それらの培養を行う.
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