研究概要 |
本研究は機能水を義歯装着患者の口臭の脱臭剤・義歯臭の除去剤として用いて,応用可能であるかについて比較検討を行った. 実験1.全身疾患を有していない可撤性補綴物を装着していない患者を選択し,試験液(電解酸性機能水,50倍希釈のネオステリンRグリーン水溶液,コントロールとして蒸留水の3種類)20mlを用いて30秒間洗口を行った.その洗口前後の口臭を測定した結果,電解酸性機能水および50倍希釈のネオステリンRグリーン水溶液は洗口前と洗口後の測定値間に有意な減少が認められた.しかし蒸留水は洗口前と洗口後の測定値間に有意な減少が認めらなかった.また電解酸性機能水および50倍希釈のネオステリンRグリーン水溶液は蒸留水と比較して,洗口後の測定値が有意に減少した.電解酸性機能水は洗口前後で50倍希釈のネオステリンRグリーン水溶液と同等の減少を示した. 実験2.全身疾患を有していない可撤性補綴物を装着している患者を選択し,始めに来院時,義歯を装着している状態で測定1として測定,次いで義歯をはずして測定2として測定,続いて義歯を試験液(電解酸性機能水,ピカ青錠を50℃の温水に溶解したもの,コントロールとして蒸留水の3種類)100mlに5分間浸漬洗浄した後,再び義歯を装着して測定3として測定,その後義歯をはずして,試験液(電解酸性機能水,コントロールとして蒸留水の2種類)20mlで30秒間洗口した後に測定4として測定,最後に洗浄した義歯を再び装着して測定5として測定した.その結果、測定2,測定1,測定3,測定5,測定4の順に測定値が減少した.来院時から電解酸性機能水による義歯洗浄後,義歯洗浄および洗口後の順にコントロールと比較して有意な減少が認められた.また電解酸性機能水による義歯洗浄は測定値の減少が認められ、さらに電解酸性機能水による義歯洗浄および洗口はより大きな減少が認められた.
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