研究課題/領域番号 |
15791169
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
横山 和博 徳島大, 歯学部, 助手 (00346602)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Snail / EMT / E-cadherin / MMP / invasion |
研究概要 |
Snailはヒト胚発生において上皮-間葉系移行(EMT)に関連する転写因子として同定されたが、近年、細胞間接着分子のひとつであるE-カドヘリンの抑制因子としても作用することが明らかとなった。本研究では、扁平上皮癌(SCC)細胞におけるSnailの発現とその作用を検討した。 Snail高発現SCC細胞ではE-カドヘリンの発現が低下しており、形態は線維芽細胞様形態を呈していた。タイプIコラーゲンを用いた再構成三次元培養およびマトリゲルを用いたインベージョンアッセイでは、Snail高発現SCC細胞は低発現細胞に比べて高い浸潤能を示した。多くの癌細胞では細胞外基質分解酵素(MMP)の発現が上昇しており、浸潤との関連が報告されているが、snail高発現SCC細胞ではMMP-2の発現が上昇していた。Snail低発現SCC細胞にSnailを強制発現させたところ、E-カドヘリン発現の低下、MMP-2発現の上昇、浸潤能の上昇、細胞形態の変化が認められ、これらの細胞生物学的特徴はSnailによって誘導されていることが明らかとなった。 各種サイトカインがSnailの発現に与える影響を検討した結果、Snail低発現SCC細胞の転写活性はb FGF、TGF-βにより低下し、HGF、IGF-Iにより上昇した。Snail高発現SCC細胞の転写活性はb FGF、HGF、IGF-Iにより低下し、TGF-βにより上昇した。Snail転写開始点より-954〜+46bpプロモーター領域をルシフェラーゼアッセイにて解析した結果、TGF-βによるSnail発現促進には-954〜-407bp領域の関与が示唆された。 TGF-βをはじめとするこれらのサイトカインは、SCC細胞に対してパラクラインあるいはオートクラインに作用しており、Snailとの関係を解明することはSCCの制御に有用であると考えられる。
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