研究課題/領域番号 |
15791189
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
野村 武史 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (60328268)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / 顎骨浸潤 / 破骨細胞 / サイトカイン / biphosphonate / bisphosphonate |
研究概要 |
本研究の目的は、口腔扁平上皮癌が顎骨に浸潤するメカニズムを解明すること、またこのメカニズムに着目した新たな臨床応用の可能性について検討することである。 研究方法として、口腔癌細胞株SCCVIIと雄性C3H/HeNマウスを用いた顎骨浸潤モデルを本実験に用いた。解析項目はTRAP染色による破骨細胞の面積占有率とマイクロCTによる顎骨形態の解析で、ともに顎骨の著明な浸潤と破骨細胞の集積を認めた。続いて破骨細胞の分化、制御に関わるサイトカンmRNAの発現を解析した。その結果、IL-6、TNF-α、PTHrPの発現率がそれぞれ56.3%、68.8%、93.8%と高率に認められた。またこれらサイトカインネットワークの下流で制御をおこなっているRANKL、RANKもそれぞれ75%、68.8%と高い発現率を示した。このことから口腔癌細胞がこれらサイトカインを分泌し、破骨細胞を誘導、活性化することにより、顎骨に浸潤するメカニズムが強く示唆された。 次に顎骨浸潤に対する治療戦略として、破骨細胞を抑制するbisphosphonate製剤の投与実験をおこなった。用いた薬剤は第2世代で毒るpamidoronateで100μg/dayで、4週間腹部皮下注射して同様の解析をおこなった。その結果、投与群では顎骨浸潤が形態学的ならびに病理組織学的に100%抑制された。またIL-6、TNF-α、PTHrPの発現率が低下した。また現在治験中の薬剤である第3世代のbisphosphonate製剤(YM529)について同様の解析をおこなった結果、2ug/dayの少量投与で、骨表面からの破骨細胞の面積占有率は7.0%と対象群の11.7%と比べ有意に低下し、顎骨の吸収が抑制された。このことから顎骨浸潤の抑制にbisphosphonate製剤が有用であると考えられた。
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