研究課題/領域番号 |
15791250
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
小倉 理恵子 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (80320331)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | Porphyromonas gingivalis / Arg-gingipain(Rgp) / α2PI / S-NO-α2PI / S-ニトロソ化 / Arg-gingipain (Rgp) / α2-plasmin inhibitor (α2PI) / S-NO-α2-plasmin inhibitor (S-NO-α2PI) / α2-plasmin inhibitor(α2PI) / S-NO-α2-plasmin inhibitor(S-NO-α2PI) |
研究概要 |
α2-plasmin inhibitor(α2PI)はヒト血漿中に約69μg/ml(約1μM)存在するセルピンの1つで、分子内に4個の遊離SH基を持つ。生体内では単にプラスミン活性を阻害するだけでなく、プラスミノゲンのフィブリンへの結合を阻害し血液凝固時にフィブリンに架橋結合があるため、フィブリン溶解(線溶)の特異的なインヒビターとして働いている。赤池らの報告によると、このSH基が容易にS-ニトロソ化されることから、α2PIのS-ニトロソ化合物S-NO-α2PIを作製し、これがP.gingivalisのプロテアーゼに対して有効なインヒビターとして機能するか検討した。 P.gingivalis ATCC33277株の培養上清より、イオン交換カラムを用いてトリプシン様活性画分(Arg-gingipain : Rgp)を精製した。α2PIをDTTで還元した後イソペンチルナトライトを用いてS-ニトロソ化し、HPLC-フローリアクター法でS-NO-α2PIを定量した。Rgpおよびプラスミンに対するS-NO-α2PIのプロテアーゼ阻害活性は、それぞれの特異的合成基質を用いて評価した。 プラスミンの存在下α2PIの血漿中濃度において、α2PIはRgpの活性を約75%、S-NO-α2PIは約80%阻害した。また培養上清においても同様にRgpの活性を阻害した。α2PIをS-ニトロソ化することによって、わずかではあるがRgpに対する阻害能が向上した。阻害係数を測定したところ、Rgpに対するKiはα2PIでは、3.9x10^<-7>M、S-NO-α2PIでは3.8x10^<-7>Mであった。生体内においてα2PIは、Rgpの侵襲から生体を防御する因子としても作用し、さらにプラスミンの活性を抑制することが推測され、線溶・凝固系の制御因子としての働きだけでなく、感染防御因子とLての役割も果たしているのではないかと考えられた。
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