研究課題/領域番号 |
15800009
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研究種目 |
特別研究促進費
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
源栄 正人 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90281708)
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研究分担者 |
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00183385)
鏡味 洋史 北海道大学, 工学研究科, 教授 (70016476)
境 有紀 筑波大学, 機能工学系, 助教授 (10235129)
山中 浩明 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00212291)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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キーワード | 2003年宮城県北部地震 / 旭山撓曲 / 地震被害調査 / 反射法地震探査 / 家屋被害 / 人的被害 / アンケート震度調査 / 余震観測 / 地震災害 / 地震動と被害の関係 / 活断層 / 変動地形調査 / 震源過程 |
研究概要 |
2003年7月26日、旭山撓曲の地下浅部で中規模地震(M6.4)が発生し、前震、本震、最大余震と一日に3回連続震度6強の揺れを記録した。この地震による被災地の範囲は狭いものの、全壊898棟、半壊2,183棟に上る家屋被害とともに、地盤の液状化やがけ崩れによる被害が多く生じた。674名の負傷者(うち重傷50名)を出し、多くの被災者が避難所生活を余儀なくされた。 本研究では、この地震による家屋被害・地盤災害・人的被害の原因を究明するとともに、震源断層と地表付近の活断層・地質構造とがどのように関連しているかを地盤調査により明らかにした。地震防災に関連する諸分野の連携により総合的な調査研究として地震被害調査と震源断層・地殻構造調査を行い、以下に示す研究成果をまとめた。 まず、地震被害調査にっいては、1)地震動特性と被害の関係調査、2)過去の地震被害との比較調査、3)構造物と地盤の被害調査、4)人的・生活関連被害調査についての研究成果をまとめた。主な調査として震源域におけるアンケート震度調査に基づく地震動と被害の関係などを整理し、局所的には震度7の領域があったこと、家屋の構造被害は建設年代とともに小さくなるが、家具の転倒など室内被害は建設年代によらないことなどが分かった。 また、震源断層と震源域の構造調査については、1)反射法地震探査と地形調査による震源断層の調査、2)余震観測による震源断層付近の地殻構造の調査、3)GPSによる余効的地殻変動観測、4)強震観測による地殻および基盤構造の調査についての研究成果をまとめた。主な調査結果として、反射法地震探査により、須江丘陵東縁に西傾斜の断層が発見され、これのは余震分布から推定される震源断層に一致することが分かった。したがって、今回の地震は活断層として知られていた旭山撓曲が活動したものではなく、活断層とは認定されていなかった地質断層で発生したものであると結論づけられる。
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