研究課題
特別研究員奨励費
オーストラリアの東海岸、アメリカのテキサスなどで野外調査を行った。様々な硬骨魚類およびサメ類を釣り上げ、記録計を取り付けて放流した。データを超音波にのせて発信するタイプの記録計と、データを内部のメモリーに保存するタイプの記録計の二種類を使用した。前者のデータは、受信器を海岸に設置してしばらく放置し、受信器を回収することによって得ることができた。後者のデータは、記録計をタイマーで魚体から切り離し、電波信号を頼りに回収することで得ることができた。様々な魚種について、横軸に水温をとり、縦軸に加速度をとってプロットすると、上に凸の曲線が表れることがわかった。曲線のピークにあたる水温が、その魚種にとっての最適水温である。最適水温は、分布図から読み取った魚種ごとの最大経験水温と強い相関があった。この結果は、自然状態で調べた魚類の水温反応と、その種の分布範囲とが密接にリンクしていることを示している。さらに、それぞれの魚種の適応可能な水温の範囲は、まわりの水温が高くなるほど狭くなることがわかった。つまり、温かい海にすむ魚ほど、狭い範囲の水温にしか適応できないということがわかった。この結果は、水温の上昇と生物の反応との関係とが線形ではないことを示唆しており、幅広い生物に普遍的に当てはまる可能性がある(Payne et al. 2015)。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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