バングラデシュにおけるマイクロファイナンス機関の大規模な調査、およびチッタゴン区ミルシャライでの家計調査を実施した。前者については、一部地域でのデータ収集の遅れがあったため、データ分析の段階までは至っていない。今後、産業組織論のアプローチからマイクロファイナンスの支店の立地問題とマイクロファイナンス間の競争に関して、分析を続けていく。 ミルシャライでの家計調査については、その地域において利用可能なマイクロファイナンスサービスの全リストを収集したうえで、家計がどのマイクロファイナンス機関から借り入れるのかという行動を分析することによって、どのような人々がマイクロファイナンスのサービスのどのようなコンポーネントを評価しているのか、どの程度多重債務問題が起きているか、を明らかにしようとするものである。データクリーニングが完了し、平成28年7月のRahaman氏の帰国に向けて、データ分析と論文執筆をつづけていく。 また、援助プロジェクトの配置とソーシャルビジネスの参入について、二本の論文を執筆し、一本は国際学術雑誌Development Policy Reviewに掲載されることが決まった。これらは、近年のソーシャルビジネスやCSR活動の活発化を背景に、政府が外国援助資金や自らの資金、法執行能力などを通じて、いかに開発課題に取り組んでいくべきかを、様々な事例研究から明らかにしたものである。
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