研究課題/領域番号 |
15F15324
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎(理論)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々 真一 京都大学, 理学研究科, 教授 (30235238)
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研究分担者 |
DECHANT ANDREAS 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-11-09 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2017年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2016年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2015年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | ゆらぎ / 非平衡 / 統計力学 / 小さな機械 |
研究実績の概要 |
学振外国人特別研究員のアンドレアス=デシャントの最終年度であり、これまでの成果を論文にまとめるとともに、新たに非常に優れた結果を得た。もともと、小さな機械の性能を評価する適切な「効率」を定義し、それにもとづいて振る舞いを議論することを目的にしていた。その際、「効率」とはその限界が数学的に証明されていることが望ましい。そこで、非平衡統計力学の近年の発展を踏まえて、新しい普遍的な不等式を提案した。 研究の発展とともに、様々な状況における様々なタイプの不等式を提案したが、最終的には、「ゆらぎ応答不等式」と我々がよぶ不等式に到達した。具体的には、非平衡定常状態において何か系のパラメータを変更したときの一般化されたカレントの応答をゆらぎとコストの積で上から普遍的に抑えることができる。 この不等式の簡単な有効例は次のようなものである。周期ポテンシャルに外力が加わったブラウン粒子を考える。このとき、拡散係数と易動度が測定できる。平衡系では、その比が温度になる(揺動散逸定理)が、非平衡条件下では一般には温度からずれる。その比を有効温度とするとき、有効温度が大きくなることが素朴に期待されたが、小さくなる場合もあって理解は混沌していた。その場合でも、有効温度と温度の比は1より大きいのでなく、移動度と裸の易動度の比より大きいのである。このような関係を単純な関係式で表現することができる。また、熱力学的不確定性関係とよばれるカレントゆらぎの不等式をもっとも一般的な形で導出できる。そして、これにもとづいて新しく有意義な効率の提案が可能になった。 なお、以上の結果、および、関連する結果を3本の論文として投稿中である。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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