研究課題
特別研究員奨励費
AMORの構造活性相関について解析を進め、AMORの活性を維持したまま、AMORに蛍光分子等を付加するのに適した部位を探索することを目指した。具体的には、AMORの活性を担う末端の2糖、メチルグルクロノシルガラクトースの異性体を複数化学合成し、構造活性相関を調べた。その結果、末端のメチルグルクロン酸の構造は極めて重要であり、4位のO-メチルなど、いかなる構造の変化も大きな活性の低下を引き起こした。一方で、ガラクトースはベータ結合した構造が重要であり、糖以外の構造であっても活性を維持することが示された。これにより、ガラクトースの部位を修飾することで、AMORに必要なリンカーなどを付加できることが明らかとなった。この成果については、原著論文をPlant Physiology誌(IF=6.5)に発表した。Sankaranarayanan氏も大きく貢献し、共著者として名を連ねた。さらに企業と共同でAMORの市販化を開始した。これにより多量の合成AMORが入手できるようになり、Sankaranarayanan氏による調整により、計画通りに有機合成によるAMORへの蛍光分子やクロスリンカーの導入を開始することができた。メチルグルクロノシルガラクトースの生成に関わる合成酵素の研究も進展し、生殖に関わる様々な異常が見られた。特に、花粉管のガイダンスにおいて、種特異的なガイダンスに関わることが明らかになりつつある。Sankaranarayanan氏を第一著者とする原著論文の作製の目途がたった。最後に、Sankaranarayanan氏はAMORによる植物の受精能獲得という概念について、重要な総説を複数発表した。特にTrends in Plant Science誌(IF=11.9)に発表した植物と動物の受精能獲得を比較・議論した総説は、重要なものである。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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