研究課題/領域番号 |
15GS0319
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研究種目 |
学術創成研究費
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
貝淵 弘三 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00169377)
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研究分担者 |
臼倉 治郎 名古屋大学, 先端技術共同センター, 教授 (30143415)
黒田 真也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50273850)
天野 睦紀 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90304170)
田谷 真一郎 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60362232)
有村 奈利子 玉川大学, 脳科学研究所, COE准教授 (20420375)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
317,980千円 (直接経費: 244,600千円、間接経費: 73,380千円)
2007年度: 78,000千円 (直接経費: 60,000千円、間接経費: 18,000千円)
2006年度: 78,000千円 (直接経費: 60,000千円、間接経費: 18,000千円)
2005年度: 78,000千円 (直接経費: 60,000千円、間接経費: 18,000千円)
2004年度: 83,980千円 (直接経費: 64,600千円、間接経費: 19,380千円)
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キーワード | 極性 / 神経軸索 / 細胞遊走 / CRMP-2 / Rhoファミリー / シグナル伝達 / シミュレーション / 収縮 / 細胞極性 / 遊走 / Rho / Rac / Par-3 / 軸索 / ミオシン / IQGAP / Disc1 / Kinesin / コンピューターシミュレーション / Sra-1 / WAVE1 / チューブリン / アクチン / エンドサイトーシス / 運命決定 / 神経細胞 / PAR複合体 / PI3-kinase / GSK-3β / IQGAP1 / APC / PAR-3 / KIF3A / Numb |
研究概要 |
生体を構成する細胞は特徴的な極性を獲得し、固有の生理機能を担う。本研究では、遊走する繊維芽細胞や神経細胞をモデルとして細胞極性を制御するシグナル伝達機構の解明を目的とした。 1. 神経細胞の極性形成を制御する細胞外シグナルの同定とシグナル伝達の解析---海馬神経細胞ではラミニン等の細胞外シグナルに応答してPIP3が産生され、GSK-3βの活性が抑制され、その結果、CRMP-2が脱リン酸化されて活性化されることを見出した。活性型CRMP-2がtubulinやSra-1、Numbと結合し、成長円錐における微小管重合、アクチン線維のリモデリング、接着分子L1のエンドサイトーシスを調節して神経軸索の運命決定や軸索伸長を促進することを明らかにした。また、PIP3シグナルの下流で、Par複合体(Par3/Par6/aPKC)がRac GEF (Tiam1/Tiam2)を介してRac活性を調節し、神経細胞の極性形成や遊走細胞の前後軸の形成を制御することを明らかにした。 2. 細胞遊走を制御するシグナル伝達の解析---遊走細胞の前後軸の決定・維持機構として、Rac/IQGAP1がAPC/CLIP-170を介してアクチン線維と微小管のダイナミクスを調節していることを明らかにした。さらに、Rho/Rho-キナーゼがPar複合体形成を抑制することによりRacの活性を適切なレベルに調整していることも示した。 3. 小胞・分子輸送と極性形成および遊走---CRMP-2がKinesinモーターと結合し、「積み荷受容体」としてtubulinやSra-1、TrkB受容体の軸索遠位方向への輸送を調節し、その結果、軸索形成を促進していることを見出した。さらに、Numbがintegrinに結合すること、Par複合体がNumbのリン酸化を介して、遊走細胞の前方基底部でのintegrinのエンドサイトーシスを調節し、遊走方向を制御することを明らかにした。 4. コンピューターシミュレーションを用いたシグナル伝達ネットワークの解析---血管内皮細胞をモデルシステムとして、Rho/Rho-キナーゼとMyosin軽鎖キナーゼによるMyosinの活性化(収縮)についてのシミュレーションモデルを構築し、実験結果を再現するには未知の経路が存在すること、この経路にはiPLA2が関わっていることを示した。また、Rhoファミリーによる遊走細胞の前後軸形成を説明するシミュレーションモデルを構築した。
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