研究課題
奨励研究
【研究目的】社会の変化により学校・教師に自律性が求められている。時代的要請、地域社会からの要請に応答できる学校、その学校の担い手としての教師の資質能力の向上が求められ、その実現のために評価システムが導入された。しかしそれぞれの評価システムは成立過程も違い、また教師の意識も必ずしも統合されたものになっていない。ゆえに両システムの目的も十分に達成できているとはいいがたい。そこで本研究は、両システムの目的達成のための要因および統合的運用の要因の究明を目的とした。【研究方法】学校教育は不確実性を伴う営みであり、本研究の方法は、それに対応する組織、教師の資質能力の向上に資する評価システムについて、システム運用と目的達成のための媒介変数を想定し理論的検討と質問紙調査による実証を行った。学校評価システムに関しては佐古の「組織開発論」ピーターセンゲの「学習する組織」に主に依拠し教員評価システムはコルトハーヘンの「教師教育論」「学習理論」「評価方法」に主に依拠して検討した。実証的検討では質問紙調査に量的分析、質的分析を施した。特に教師の資質能力向上については他者支援も考慮した教師の資質能力向上モデルを想定し共分散構造分析により教員評価における教師の資質能力向上モデルを作成した。【研究成果】モデルの因子間の関係性より、資質能力の向上に優れた教師の特性を明らかにできた。また経験年数による資質能力向上に及ぼす因子関係、教師の資質能力向上と職場環境因子との関係について検討した。これらの結果(関係係数)より、両システムの統合的運用には共通理解・協働性の重要性を示した。これらを生かす研修についても検討した。
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愛知教育大学大学院・静岡大学大学院博士論文
ページ: 1-240
日本高校教育学会年報
巻: 22 ページ: 8-17