研究実績の概要 |
本研究は, 英語における4技能の総合的な習得の重要性と, 小学校高学年における英語の教科化が騒がれる中, 「聞く・話す・読む・書く」の4技能を基盤にすえた小・中学校の英語教育の接続と連携の強化を図ることが目的であった。具体的には写真や絵を描写するPicture Descriptionという活動を4技能統合型の活動に進化させた活動を複数開発した。教材開発の際には, (1)1~2時間の授業で完結するコミュニケーション活動にする, (2)1時間の授業の中に4技能全ての活動を統合する, (3)生徒の気づきを大切にするという, 「ファシリテーションの視点」を授業に取り入れる, の3点に留意しながら開発を進めた。開発した教材は例えば中学校1年ではストーリー性のあるイラストを用いて, 疑問詞で始まる疑問文をできるだけ多く考え, 発表する活動(グループ活動), 中学2年ではストーリー性のある写真を用いて, あらかじめ設定された物語の続きを考え, 発表する活動(グループ活動), 中学3年では2人の人物の写真を用いて, あらかじめ設定された会話に新たな展開を考え, スキットを完成し, 発表する活動(ペア活動)というものがあり, それぞれの学年に合ったレベルの活動を実践した。さらにこのPicture Descriptionを小学校版にアレンジし, 小学校英語でも実践可能な4技能統合型コミュニケーション活動として, 千葉大学教育学部附属小学校の6年生児童を対象に実践した。中学校英語への不安感を払拭し, 期待感を持たせることができた。
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