本年度の研究実施計画に対する研究成果は以下の通りである。1. 根室市・中標津町における教材開発に関する取材を実施し、上武佐ハリストス教会や落石通信所、根室市歴史と自然の館などに関する動画番組を作成し、勤務校報告課題にも取り入れ、WEBサイトで公開した。さらに本校に整備されているデジタルハイビジョンシステムを活用し、富良野高校・中標津高校・豊富高校に対する同時双方向の面接・授業を行い遠隔地に対する効果的な地域教材の活用について実地データを得た。通信制における世界史科遠隔教育のあり方についても一定の効果が確認出来た。過去の奨励研究で作成した沖縄史教材との比較提示も実施しデータを得た。2. 北海道遠隔教育コンソーシアムを勤務校で実施し、本研究で実施した上記教材や別記する豊富高校と北海道立近代美術館との連携授業について報告した。大学研究者・機器開発業者・高校・大学生が同じ場で地域教材を活用した遠隔教育推進について議論し、生徒に近い若い世代からの意見聴取も実施出来た。3. 沖縄県における教材検討会を、琉球大学教育学部・法文学部・沖縄県立芸術大学の協力を得て実施した。4. 韓国・中国・マレーシア・シンガポール・ベトナム・フィリピン・インドの研究者との中等教育授業検討会についてはフィリピン・セブ島においてワークショップを実施し報告を行った。報告書は現在作成中であり、イギリスのバークシャー出版社より出版予定である。5. 地方協力校の専門外教科教員に対しての双方向での教材共有や授業支援システム構築については、中標津高校・富良野高校への上述したハイビジョン配信を行った。これについては別稿を予定している。6. 以上の研究成果を福井県教育研究所夏期講座、東京外国語大学世界史セミナー、高大連携歴史教育学会等で報告した。
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