1. 概要 宇宙開発技術を題材としたSTEM教育の開発のために、ものづくりを題材とした総合的な学習の時間において、製作の見通しを持つための試作を行うSTEMを意識した学習活動を地域企業や機関と連携して行った。 2. 方法 次の①~⑤の手順で調査を行った。 ①技術に関する興味関心について調べる調査を行った。調査は、村松らの「ロボット学習を通して形成される生徒の技術観・職業観を把握する意識尺度評価尺度」を用い、質問紙による調査を行なった。また、自由記述で宇宙エレベーターを速く確実に宇宙まで届けるための、本体の工夫を思いつくだけ書くよう促し、数や内容について調査した。 ②試作を、本題材で見通しをもって製作を行うために行った。試作には、優良教材の「木登りロボット」を利用した。組み立てる過程で、ギヤ比と駆動の様子の変化、上昇を左右する要素、エネルギーの損失について各2時間ずつ学習した、最後にロボットコンテストを2時間行った。 ③②の効果を検証するために①と同様の内容を行った。 ④試作で得た見通しをもとに、レゴを用いた製作と、企業の協力のもと実際に近い形のエレベーターの製作を行った。また、この間に、諏訪東京理科大学学長の河村教授にご講演いた。 4. 結果 質問紙での調査について、対応のあるt検定で分析したところ、技術に関連する職業への興味関心の変化について有意な結果が得られた。また、自由記述の内容では、数量的、内容的にも変化がみられた。内容では、モーターに関する記述や、電源に関する記述が事後調査では減り、逆に損失や強度に関する記述が増えた。また、記述なしの生徒がいなくなった。宇宙エレベーター製作の場面でも、自ら考え製作を行う姿がみられた。完成したロボットで大会に参加した生徒もいた。生徒が狙っていた結果は出せなかったものもLEGO Education賞を受賞し、達成感を得ていた。 研究の成果は学会や、研究の成果は学会や、県の教科研究の会で発表を行った。今後も、追試や論文、学会発表を行いたい。
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