本研究はグループメンバー全員が確実に共有可能な20インチのタッチパネル端末をグループに1台用意し、端末を囲みながら対話する活動を計画・実践・記録し、学習プロセスを分析することで、ICTを活用した協調的問題解決のプロセスを分析し知見を得ることを目的とした。 20インチタッチパネル1台を、3名ないし4名で囲みながら、学校図書作成のデジタル教科書を使っての協調的問題解決プロセス及びジグソー学習法での協調的問題解決プロセスを分析した。 協調的問題解決プロセスをICレコーダ、学習ログデータと共に映像として記録し、分析を行った。分析にはアーム付きのビデオカメラを4台用意し、教室の4隅に設置し全グループの活動状況を記録するようにした。ただし、四隅から記録した映像では、各グループの操作状況がなかなか把握しづらく、「ここ」「そこ」といった発話がどの部分を指しているのか解釈ができないことがわかった。また、分析に値する対話がなされているか確認してもらうため、校内職員の協力を得て、グループ1名の観察者をつけて実践を行った。しかし、参観する視点がなかなか統一できず、観察者がよい話し合いが行われていたという申し出に対し、発話を確認しても、他の先生方にはその話し合いのよさが把握できないことがわかった。取り扱う内容に対して参観する視点を明らかにするために、期待する発話をリストアップすることも難しいことがわかった。その中で発話分析から取り扱う内容に関係なく「わかった」「わからない」「納得」「なんで」「なるほど」といったキーワードが見られる発話の前後で学びを深めている可能性が明らかとなった。 プリンタを用意し印刷することで自分たちの学習を振り返ってもらうように計画したが、印刷に時間がかかるため、台数を増やすなどの工夫をし、時間がかからないよう配慮する必要が明らかとなった。
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