研究実績の概要 |
児童がことわざを題材にした劇制作を通して、意味や使い方の理解を深めることができると考えタブレットの活用に着目した。 本研究では, 小学校の5年生の児童を対象に, ことわざの意味が伝わるような1分間の劇制作の学習活動の開発を行った。「ことわざの絵本」などを参考に劇化することわざをグループで選ばせた。扱ったことわざは「猫の手も借りたい」「三度目の正直」「喧嘩両成敗」「猿も木から落ちる」「」。まずホワイトボードを使い構成を考え、タブレットで撮影・視聴しながら練習を行った。コラボノートのトンネル機能を使い作品を共有し、お互いの作品を視聴し感想や意見を出し合った。コメントをもとに作品の改善を行い、最後にプロジェクターで全作品を全員で視聴した。 劇制作時間を1分間に短縮することや, 動画の撮影・視聴を容易に行うことができるタブレット型PCでの劇制作は, 児童の表現に対する抵抗感を軽減し意欲的に取り組めるものであった。劇作品で取り上げたことわざの意味を, 事例をあげて説明ができるようになり, 児童の実感を伴った理解がみられた。動画共有により, 児童が自分たちのペースで視聴ができた。 劇作品を1分間に制限した本学習モデルは, 児童にとって取り組みやすく, ことわざに興味を持たせ, 実感を伴った理解を促すことができる学習モデルであった。タブレットの活用は, 児童が制作意欲を途切れさせない効果があった。 本学習モデルはことわざを学ぶ上で, 「読んで理解する」「演じながら理解する」「動画を視聴して理解する」という3つの理解の過程があり, 子ども達は自分にあった方法で理解をすることが効果として期待できる。また、タブレットを活用することにより、児童自信が自己の表現を客観視することが可能である点においても、本研究は意義があると考える。
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